生成AIは“差別化の武器”ではなく“普遍的なツール”である
2025年6月号の『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』に掲載された
「生成AI時代に何が競争優位の源泉になるのか」では、
経営戦略の視点から生成AIの本質が鋭く語られています。
本記事の要点は、
「生成AIはパソコンやインターネットと同じく誰もが使える汎用的な技術であり、
それ自体は競争優位の源泉にはならない」
という点です。
つまり、AIの存在は前提であって、それだけでは他社との差を生むことはできません。
この考え方は、生成AIの導入を検討するすべてのビジネスパーソンにとって重要な視座となります。
生成AI活用領域:自動化される業務と創造が求められる業務
私たちネクサライズコンサルティングでも、日々の業務に生成AI(例:ChatGPTなど)を積極的に取り入れています。具体的な活用例は以下の通りです。
- 提案資料のたたき台作成
- メール文面の自動生成
- 誤植や記述ミスのチェック
- 情報収集、調査作業(V字回復の要因をあぶり出す──戦略リサーチにおけるChatGPT/ DeepResearch活用)
こうしたタスクは、いわば「再現可能な作業」です。生成AIはこの領域において驚異的な生産性向上をもたらします。
しかし、本当に価値を生むのは、“問いを立てる”力です。
「何を書くべきか」「どこに切り口をつけるか」「その企業の本質的な強みは何か」──これらを考えることはAIにはできません。ここにこそ、プロフェッショナルとしての人間の思考力と創造性が求められるのです。
3.差がつくのは、“自分の強み×生成AI”の掛け算
競争優位の源泉は、他社にはない独自のリソース(強み)にあります。これは経営戦略理論「リソース・ベースト・ビュー(RBV)」でも明らかです。
生成AIは誰もが使える汎用ツールですが、自分の強みと掛け合わせたときに真価を発揮します。例えば、
- 自社にしかない業界知見
- 現場に根ざした組織変革ノウハウ
- クライアントの潜在ニーズを見抜く感性
これらをベースにAIを活用すれば、従来とは比較にならないスピードと深度で価値の創造と提供が可能となります。
ネクサライズコンサルティングの生成AI実践モデル
当社では、生成AIを「考えるためのパートナー」と位置づけ、以下のような実践を進めています。
- AIが処理すべき“再現作業”と、人が担う“戦略的思考”を明確に分離
- 再現可能としたプロンプトを積極的に社内展開
- 弊社ナレッジを活用した壁打ちAIの生成
弊社では社員はいませんが、日中働けるパートさんを資料作成メンバーとしてMAMAworksを活用して採用しています。このアプローチにより、メンバー全員の業務効率化だけでなく、思考の質そのものが高まる効果を実感しています。
生成AIはあくまで“武器”、戦略は自分で描くもの
生成AIがもたらすインパクトは計り知れません。
しかし、どの方向に進むべきか、何を目指すべきかは、あくまで“人”が決めるべき問いです。
誰にでも使えるAIの時代だからこそ、「誰にも真似できない“自分らしさ”」が競争優位になります。
ネクサライズコンサルティングでは、今後もAIを最大限活用しつつ、人間ならではの価値と創造性を掛け合わせた支援で、クライアントの変革と成長に伴走してまいります。
まとめ:
生成AI時代に問われるのは「何を使うか」ではなく「どう使うか」
- 生成AIは競争優位の源泉ではなく、使い方が差を生む時代
- 自分の強みを明確にし、AIと掛け合わせることで差別化が可能
- 情報処理だけでなく、戦略構想まで視野に入れたAI活用が鍵
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辻村裕寛(つじむらやすひろ)代表取締役兼CEO
IT系ベンチャー企業、SIer、コンサルティングファームを経て独立起業。現在は、働きがいと豊かさで次世代が夢を描ける社会を創るをMissonに、企業業と働く人々へのコンサルティングで持続的な変革を支援し新しい価値を創造ことをvisionに掲げ活動しております。お客様には①「変化を見抜き価値を創る」コンサルティング、②「学びで育む次世代の成長」を支える研修講、③「知恵を届け未来を動かす」執筆サービスを価値としてお届けしております。