よくある中小製造業の課題
「補助金を使ってツールを導入したのに、数ヶ月後には誰も使っていない」
「業務のデジタル化を推進したいが、現場に反発されて止まってしまう」
「ITベンダーに丸投げした結果、現場に合わないシステムが入ってしまった」
こうした“DXあるある”に、
心当たりのある方は多いのではないでしょうか。
中小企業診断士として支援現場に立つ方も、
企業内で改善活動に携わるビジネスマンの方も、
「理想」と「現場」のギャップに頭を悩ませていることと思います。
ネクサライズコンサルティングが注目したのは、
そんな現実を乗り越え、“使いこなせるDX”を現場に定着させた中小企業の実例です。
その企業とは、東京都大田区の金属加工業「株式会社エース」。
300社との協力工場ネットワークを武器に、多品種少量・短納期に対応するこの企業は、
“紙とFAX”が主流だった現場を、10年以上かけて段階的に変革してきました。
今回はその詳細を、Monoistに掲載された最新記事とともにご紹介します。
事例紹介:町工場が変わるまで
エースが直面していた課題は、どこにでもあるものです。
- 営業案件が増えたのに人が足りない
- 外注先とのやり取りが煩雑で、紙やFAXに頼っていた
- 図面が紙で山積み、検索や再利用ができない
- Excelによる受発注管理が限界に達していた
多くの現場で「あるある」と言われるこの状況に、エースはどう立ち向かったのか。
まず、社長自らが“ITは現場のための道具”という意識を社内に浸透させた。
次に、社内サーバー整備、資料共有の仕組み、図面のデジタル化進め。
さらに、CAD/CAMや生産管理システムの導入へと、段階的に改革を進めていきます。
その進め方は極めて現実的でした。
- 総務部の業務フローを丁寧に洗い出し、運用ルールを整備
- 操作研修やマスターデータ登録を約10ヶ月かけて実施
- 新システムの導入前に、目的と効果(KPI)を明確に設定
- 地域連携(I-OTA)や補助金活用も積極的に取り入れる
こうした取り組みにより、
「導入したが、使われない」DXではなく
「現場が自然に使い続ける」DXを実現しました。
注目ポイント:再現性のある“進め方”
この事例が私たちに示してくれるのは、単なる成功例ではありません。
むしろ「再現性の高いアプローチが存在する」ことです。
とくに中小企業診断士や、現場改善を進めたい企業担当者にとっては、
以下の点が実務に直結するヒントになります。
✔ トップ主導 × 業務フロー設計
現場に丸投げしない、経営と現場の共同設計
✔ 導入前の準備 × KPI明示
「納期遵守率」「図面検索の時間短縮」など目的を数値化
✔ 段階導入 × 地域連携・補助金活用
結論:DXの本質は「現場で続くこと」
株式会社エースの取り組みが教えてくれるのは、
ツールを入れることより、それを「日常の中で使えるようにする」ことの重要性です。
私たちネクサライズコンサルティングが支援現場で重視しているのも、まさにこの点です。
「変えること」ではなく、「馴染ませること」こそが、DX支援の本質だと考えています。
コラム本編はこちら(Monoist掲載)
📎 Monoistコラムにて、エースの詳細事例をご紹介中です。
👉 https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2506/10/news001.html
ネクサライズコンサルティングからのご提案
自社の業務に合ったDXをどう進めるか?
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私たちは、机上の戦略だけでなく、現場に寄り添った実践支援を強みとしています。
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辻村裕寛(つじむらやすひろ)代表取締役兼CEO
IT系ベンチャー企業、SIer、コンサルティングファームを経て独立起業。現在は、働きがいと豊かさで次世代が夢を描ける社会を創るをMissonに、企業業と働く人々へのコンサルティングで持続的な変革を支援し新しい価値を創造ことをvisionに掲げ活動しております。お客様には①「変化を見抜き価値を創る」コンサルティング、②「学びで育む次世代の成長」を支える研修講、③「知恵を届け未来を動かす」執筆サービスを価値としてお届けしております。