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論理思考の先にある感情──AI時代こそ、論理的思考を学ぶ理由

研修

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企業プロファイル

地方のインフラ関連企業2社/主任・中堅層向け、1日の論理的思考研修/文書と話し方を、相手に分かりやすく伝えられるようにしたい

企画書や報告書の下書きは、AIでも作れるようになりました。では、社員に論理的思考の研修を受けさせる意味は薄れたのでしょうか。中堅・中小企業で人材育成を担う経営者や人事の方なら、一度は考える問いかもしれません。

当社は2026年の夏、地方のインフラ関連企業2社で、主任・中堅層向けの論理的思考研修を担当しました。2社とも、受講者から「話がわかりやすい」という評判をいただきました。大変ありがたいことです。

論理的に正しいことと、相手に伝わることは、別の話です。

本稿では、研修で何を伝えたかと、講師として常に注意していることを紹介します。そのうえで、AIの時代だからこそ論理的思考が要る理由を考えます。

この記事の要点

  • 論理的思考研修では、「目的の明確化」「分かりやすい表現」「論理の一貫性」の3つを講義と演習で身につけます。
  • 論理的に正しくても、相手の感情に配慮しなければ伝わりません。正しさと納得の両方が必要です。
  • AIで文書を作る時代こそ、AIの出力を判断するための論理的思考が欠かせません。

論理的思考研修で伝えた、分かりやすく伝える3つのポイント

研修の名前は「企画力向上のための論理的思考法」です。中身は、文章・文書と話し方を、いかに分かりやすく相手に伝えるかがテーマでした。

ポイントは次の3つです。

講義と演習を通してこれらを理解していただき、研修の翌日から使えるようになることを目指しました。最後の演習では、受講者自身の業務を題材に、改善提案をメモにまとめて発表してもらいました。

論理的に話しすぎると、なぜ伝わらないのか

論理的に正しく話すことは、ビジネスでは非常に大事です。ただ、この種の研修で私が常に伝えていることがあります。論理的に話しすぎると、相手は「論理では分かるが、気持ちでは分からない」状態になりやすいのです。

人は、正しいと分かっていても、自分の中で納得できないことがあります。言い負かされたと感じれば、なおさらです。そうなると、正しい論理でも、言いたいことは伝わりません。

そのため研修では、論理の組み立てだけでなく、相手の感情も踏まえて伝えることを扱っています。正しさと納得の両方がそろって、はじめて人は動きます。

ここがポイント

論理は、相手に伝わるための道具です。相手を言い負かすための道具ではありません。

論理的思考でつまずきやすい2つのポイント(ロジックツリーとMECE)

この研修に限らず、他の研修でも感じることがあります。論理的に考えることを、具体的な手順としてできる人は、実はとても少ないということです。

つまずきやすいのは、次の2点です。

論理的に考えるときの2つのつまずき

  1. ロジック・ツリーのルール。論理を明確にする道具は知っていても、作るためのルールをきちんと理解できていない
  2. MECE(ミッシー)の切り口。「漏れなく、ダブりなく」分けるために、どの切り口を使えばよいかを知らない

切り口には、3C・4P、時間の流れ、業務のプロセスといった定番があります。知っていれば分けられることも、知らなければそこで手が止まります。

AI時代に、論理的思考を学ぶ理由

企画書を論理的に構成することは、今の時代、AIでもできてしまうかもしれません。ただ、AIの出した構成が本当に論理的かを判断するには、自分自身が論理的に考えられる必要があります。

目的はずれていないか、根拠と結論はつながっているか、読み手が納得できる伝え方か。これを見極める力は、AIには任せられません。

AIの時代だからこそ、論理的思考と、それを土台にした分かりやすい話し方・文章作成を学ぶ必要がある。2社での研修を通じて、改めてそう考えました。

AIの下書きを見直す4つの問い

社内でAIを使って文書を作っている方は、次の4つで見直してみてください。

チェックリスト:4つの問い

  • 文書の目的と、読み手にしてほしいことが、冒頭で分かるか
  • 読み手が一度で理解できる言葉と順序になっているか
  • 結論と根拠がつながり、途中で話がぶれていないか
  • 読み手が「言い負かされた」と感じる書き方になっていないか

明日できる一手

明日できる一手を1つ挙げます。次にAIで作った文書を出す前に、冒頭へ「この文書の目的」と「読み手にしてほしいこと」を1行ずつ書き足してください。

その2行が書けなければ、文書の目的がまだ決まっていない合図です。書けたら、本文がその2行からぶれていないかを確かめます。

論理的思考研修についてよくある質問

論理的思考研修では、何を学びますか?

文書と話し方を、相手に分かりやすく伝える方法を学びます。柱は「目的の明確化」「分かりやすい表現」「論理の一貫性」の3つです。当社の1日研修では、最後に受講者自身の業務で改善提案メモを作ります。

AIで文書を作れるのに、論理的思考を学ぶ必要はありますか?

あります。AIの出した構成が論理的か、目的からずれていないかを判断するには、使う人自身の論理的思考が欠かせません。

論理的に正しく話せば、相手に伝わりますか?

正しさだけでは伝わらないことがあります。論理的に話しすぎると、相手は「論理では分かるが、気持ちでは分からない」状態になりやすいからです。相手の感情に配慮し、納得してもらう工夫が必要です。

ロジックツリーやMECEでつまずくのは、なぜですか?

ロジックツリーを作るためのルールや、MECEに分けるための切り口を知らないことが多いためです。3C・4P、時間の流れ、業務のプロセスといった定番の切り口を知るだけでも、手が止まりにくくなります。

無料・オンライン・30分

30分の無料相談で、必要な研修の概要をデザインします

  • 課題の見立て:社内の文書や報告が「分かりにくい」原因はどこにあるか
  • ねらいと対象者:誰に、何ができるようになってほしいか
  • 研修の概要案:テーマ・内容・進め方のたたき台

資料の準備は不要です。研修を検討する前の段階でも構いません。

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執筆者

辻村裕寛(株式会社ネクサライズコンサルティング 代表/PMP・中小企業診断士)

中堅・中小企業向けに、論理的思考やAI活用などの企業研修とコンサルティングを行っています。