一部上場企業のITコスト削減プロジェクト

【お客様】

  • お客様 : 社会インフラ関連企業
  • 規 模 : 連結 約10,000人、 単独 約2,300人 (IT事業部)
  • 期 間 : コスト可視化・施策検討6か月 実行2年 (2011年に着手したプロジェクト)  

【概 要】膨らみ過ぎたITコストの削減

IT部門が管理するシステム、ITインフラ、運用保守などで発生しているコストを可視化して
膨らみ過ぎたITコストを適切な値まで削減するプロジェクト。

【依頼背景】新たなIT投資を実現できるレベルまで運用保守コストを削減する必要がある

企業の成長に合わせてIT投資を推進し社内のIT化も充実してきたが、比例するようにITコストも膨張。
気が付くと約30億円弱にもなっていた。特に運用・保守費が拡大しており、今後のIT新規投資の予算の確保も難しい状況になりつつあり、企業成長を支える新たな投資ができない。

【内 容】ITコストの可視化と削減アクションプラン策定と実行支援

  • 既存ITコストをIT部門のPLを精査、勘定科目を人件費、サービス利用料、保守費用、経費等、検討しやすいレベルに集約し削減効果の大きい科目を選定
  • 勘定科目ごとにアクションプランを設定。サービス利用料はボリュームディスカウントの活用、保守費用は保守契約を1枚づつ精査し要不要を判断、経費は可能な範囲で削減する方向とした。
  • 最もコストが膨らんでいる子会社との業務委託契約についてもメスをいれ、実際に会社に赴き契約見直し交渉
  • 最終的には増加しすぎたIT人員のグループ会社移籍なども施策に組み込こんだ施策も推進

【成果物】ITコスト削減ロードマップと施策推進ツールを作成し実行を支援

  1. 【成果物】ITコスト可視化
    発生しているITコスト明細からコスト削減検討が可能なレベルまで抽象化した勘定科目を設定して可視化
  2. 【成果物】ITコスト削減施策とロードマップ
    勘定科目ごとに削減額目標と削減方法を具体化し削減ロードマップを作成
  3. 【成果物】ITコスト削減予実計画表
    年月別に発生しているコスト、今後削減後の計画コスト、差異コストを把握するシートを作成し、年月ごとに施策進捗状況及び削減差異への対策を実施

【効 果】約30億程度発生していたITコストを21億程度まで削減(約30%)

一部上場企業ではあったが、親会社からの指示もあり強力にITコストを削減したプロジェクト。契約見直しなどで10%程度の削減は比較的スムーズに推進できたが、IT子会社との交渉以降は非常にタフな取組となり精神的にも追い詰められる日々が続いた。また、IT人員のグループ会社への異動の施策も取り込まれ、「自分には妻も子供もいる、この先どうすればいいのか?」と詰め寄られる場面もあり、精神的に本当につらいプロジェクトでした。
このプロジェクトをきっかけに、マイナス面をリカバリーするコンサルティングではなく、こういった状況に陥らいないように会社を改善できるコンサルタントになろうと決心するきっかけにもなった。また、コンサルタントとして施策を出すことの責任感ときれいごとだけで物事が進まないことを痛いほど理解したプロジェクトでもあった。

辻村裕寛

代表取締役兼CEO

中堅企業・中小企業へ経営コンサルティングサービスを提供、中小企業では地域活性化を企画し、公共、金融機関、企業の三方良しになるスキーム作りを得意としています。

東京都台東区の下町生まれ。IT系ベンチャー企業、SIerで約10年、コンサルティングファームで20年弱従事しディレクターになったのちに独立。現在は、中小企業診断士、PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)の資格を活かしつつ、大企業から小規模事業で幅広い業種、分野でコンサルティングサービスを提供。また、コンサルティングノウハウのコラム執筆、講師業なども提供しております。